そもそも議事録作成時に気を付けることってどんなものがあるの。
そんなお悩みにお答えします。
本記事の内容
- 議事録作成時のテクニック(コツ)
- 議事録の目的
- 議事録作成の流れと抑えるべきポイント
こちらで紹介している内容は次の書籍をベースに筆者の経験を加えて作成しています。
議事録作成についてさらに極めたい方は以下のようなツールを活用してみると良いかもしれません。
会議メモを議事録にする!時間短縮ワザ!困ったときのWord便利帳!
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、
- 入社5年目までほぼ毎日議事録を作成(多い時は3件/日!)
- SNSを通じてES・履歴書・職歴書・志望動機書に関するキャリアサポートを実施
- 現在は外資系コンサルティングファームでビジネスコンサルタント職に従事
(本ページは一部プロモーションが含まれています)
結論:議事録の見栄えを良くするテクニック(コツ)
本記事の後半で議事録の目的や作成の流れ・作成時に意識することなどをご紹介しますが、まずはタイトルにある議事録作成のコツについて触れたいと思います。
議事録の見栄えを良くするテクニック5つ!
- インテンドを揃える
- 行間を調整して程よい空間を設ける
- 箇条書きのインテンドを積極活用(ベタ打ちで"・"を使わない)
- 省略語や記号を積極活用
- ショートカットを積極活用
インテンドを揃える
文章の頭が意図に反してそろっていないと読み手に取って理解しづらい議事録となってしまいます。
まとまった文章のかたまりを移動させるためには対象部分を選択して上部に表示されているルーラーでインテンドを整えます。
私は議事録を書く際に、以下の通り『・』のインテンドだけ用意しておき、情報の粒度が変わる際に「Enter+Tab」キーを押してインテンドをずらしています。
このようにすることで、メモの段階でもある程度構造化を図ることができ、議事録作成の工数削減に繋がります。
行間を調整して程よい空間を設ける
スペースの無い文字の壁は非常に読みづらいですし、何より関係者の読む気をそいでしまうリスクがあります。
程よい空白を用意し、関係者にとって読みやすい議事録の作成を心がけましょう。
「書式」→「段落」→「右下のボタン」→「インテンドと行間幅」から行間を設定することができます。
Wordの議事録は通常、『行間:1行』が見やすいとされています。
箇条書きのインテンドを積極活用(ベタ打ちで"・"を使わない)
文章が2行以上にわたる際にインテンド機能を使っていないと改行がうまくされず、見づらい議事録となってしまうので避けましょう。
省略語や記号を積極活用
特に議事メモでは限られた時間内で内容を記載しなければならないので、文字を書くこと・タイプすること自体の時間を極限まで削ることを意識します。
以下は例ですが、議事録作成の経験を積んでいく中で、自分オリジナルの記号や法則を増やしていけると良いですね。
意味 | 略語・記号 |
経営企画部 | 経企 |
プロジェクト統括 | 統括 |
プロジェクト | PJT |
シニアマネージャー | SM |
機密保持契約 | NDA |
1時間半 | 1.5h |
12時45分から15時まで | 12:45-15:00 |
株式会社 | (株) |
変更後 | → |
ショートカットを積極活用
スピードを上げるためにはショートカットを活用することです!
使える!ショートカット集
ショートカット | 操作 |
Control + C | 選択範囲をコピー |
Control + V | 貼り付け |
Control + A | 文書全選択 |
Control + S | 上書き保存 |
Control + Z | 元に戻す |
Control + Shift + C | 書式のコピー |
Control + Shift + V | 書式の貼り付け |
F8 | 半角変換 |
議事録とは
議事録とは、決定事項と論点を理解するために作成されるビジネス文書である
議事録というとほとんどの方がミーティングやインタビューの内容記録のためにとるものだと思われるでしょう。
実は議事録には次のような目的が存在します。
議事録の目的5つ
- 検討内容を整理する
- 決定事項・アクションアイテムを明確にする
ToDoを担当者にリマインドし、確実な実行を促す - 議論内容・経緯を記録し関係者に共有する(証拠を残す)
議論内容について異論を唱える者が出てきた際に敬意とともに内容を振り返ることで異論を抑止することが可能 - 成果物の一つとして納品する
- 人材育成を促す
作成者の理解度を確認し、認識齟齬があれば正確な知識を教えることができる
注意すべきは、議事録は議事メモと異なり、話の流れではなく議論の流れに沿って記載することが必要で、その記載内容も論点を抑えるように強く意識することです。
議事録に記載されるべき内容
議事録に記載すべき内容を抑えて議事を取ることで、要点を抜けもれなく記載することが容易になります。
議事録作成時には以下のポイントを押さえておきましょう。
- 会議情報(日時・場所・出席者・使用資料)
- 議題
- 決定事項(会議の結論を端的に記載)
- アクションアイテム(ToDo事項を担当者・期限とともに記載)
- 議事詳細(議論内容をポイントを押さえ簡潔にまとめる)
これらの項目を盛り込んだテンプレートはこちらからダウンロードすることができますので是非ご活用ください。(筆者にて作成)
議事録作成の流れ
議事録作成の3ステップ
- 会議前の事前準備
- 会議に参加しメモを取る
- 議論内容を議事録に落とす
会議前の事前準備
会議前の準備によって議事録作成のスピードはぐんと速くなります。
具体的には、過去の議事録を見てこれまでの検討経緯や議論趣旨を頭に入れます。
この際、会議目的と会議のゴールを正確に理解するように努めます。
これにより、出てくる単語や参加者の名前を事前にインプットでき、会議中に自分だけ置いていかれることを防ぐことができます。
また、会議自体に遅れてはいけませんので、開催時間や会議場所、会議場所への道筋もきちんと押さえておきましょう。
過去の議事録と一定の質を保持するために、記載する情報の粒度や議事録仕の様について理解しておきます。
私は時間に余裕があるときは会議場所や想定参加者などは事前に記載しておきます。
加えて、自分が話すパートが決まっている場合は、その内容を議事録に記載してしまいます。
事前準備をすることで、議論の内容や流れを理解することができ、論点の整理と結論の識別がしやすくなります。
会議に参加しメモを取る
会議後の議事録作成のことを考え時間短縮のために、できれば議事録テンプレート(wordファイル)に直接書き込むことをオススメします。
別資料がありそちらに書き込むことで記載内容を大幅に削減できる場合は、必ずしも議事録テンプレートに初めからメモを取る必要はありません。
重要なポイントや明確にしたい箇所(数字・キーワード・重要コメント)などのみをメモするように心がけます。
慣れないうちは重要箇所の識別が難しいので、その場合議論された内容をできる限り全てメモするようにしましょう。
またメモを取る中で理解できない場所には、印をつけておき後ほど上司に確認します。
メモを取る際にはスピードが命ですので、記号や略語を積極的に使うことをオススメします。
略語や記号の使用例
意味 | 略語・記号 |
経営企画部 | 経企 |
プロジェクト統括 | 統括 |
プロジェクト | PJT |
シニアマネージャー | SM |
機密保持契約 | NDA |
1時間半 | 1.5h |
12時45分から15時まで | 12:45-15:00 |
株式会社 | (株) |
変更後 | → |
鍛錬を重ね、ぜひ自分なりの書きグセを身につけましょう。
議論内容を議事録に落とす
会議後1時間以内にドラフトを作ることができると理想です。
なぜならば、自分で取ったメモは会議後に時間が経って臨場感を失うと、何を書いたか分からないことがたくさん出てくるからです。
書いていることは理解できても、なぜこの発言がされたのかを思い出すことに苦労する場合があります。
議論の流れと論点を整理した上で、読みやすさを意識しながら論点ごとに議論の経緯・結論を記述していきます。
発言者やアクションアイテムは明確に書き出し、会議参加者はもちろん会議に参加していない人が議事録を見ても内容を理解できる粒度で情報を記載します。
例えば、プロセスが①Attention(注意)→② Interest(興味)→③ Desire(欲望)→④ Memory(記憶) →⑤Actionとあったときに会議の場では①や②などの記号で会話がされることが多いと思います。
メモには当然記号のみを記載するわけですが、議事録作成時には、あとで見返した際にその記号がそれ何のプロセスを占めていたのかわかるように、初めて出てくるときには内容まできちんと記載するようにしています。
i.e.)製品を売る上でまず顧客がその製品の存在に気付いてもらう必要があるので「①Attention(注意)」に対する施策を検討したい。(A社〇〇[発言者の名前])→確かにその通りである。①については過去にXXという施策を打ったが....(B社〇〇)
また、メモを見ながら論点を洗い出し会議内容を構造化しすることも重要です。
具体的には各章の検討内容・議論内容に応じて分類します。
議事録全体としても、結論ファーストで課題、今後の論点の順に記述します。
構造化を行う際には箇条書きが非常に有効です。
箇条書きを行う際には自身の理解に基づいて適切な見出しを付けると良いでしょう。
議事録作成時の注意点
せっかくとったメモですから、ちゃんと聞いていたことをアピールする為にも議事録にすべてを記載しようとしてしまうことがありますが、時には注意が必要です。
例えば次のようなケースは、議論内容を適切な形に変えたり必要に応じて削除することが求められます。
- オフレコな内容は記載しない
- 社外提出する際には特に不適切な発言があった際には表現を変更、もしくは削除する
- 簡潔に記載することを意識しつつも、分かりやすさを保持した程度での記述をする
議事録作成後の流れ
議事録の目的にもある通り、議事録は共有して初めてその役割を果たすことができます。
議事録作成後の2ステップ
- 作成した議事録の内容レビュー
- 議事録の展開
作成した議事録の内容レビュー
議事録をかけたらまずはセルフレビューです。
冷静な頭で誤字脱字がないか、ロジックがおかしいところがないかなど注意深く確認していきます。
これまで上司から指摘された内容がある場合は、それを自分なりにチェック項目化し確認することをオススメします。
上司によって抑えどころが変わったりするので、自身の修正工数を削減する上でも大変有用です。
セルフレビューが完了したら、上司に確認を依頼します。
この際に特に確認してほしいところや、作成にあたり自分が意識した点などがあれば合わせて伝えると良いです。
慣れないうちは指摘を多くもらうことが予想されますので、予め修正に必要なリードタイムや工数を考慮した上で議事録作成を進めましょう。
議事録の展開
議事録は会議直後から展開までのスピードが命です。
議事録は生ものとも言われ、鮮度が大切です。
鉄は熱いうちに打てとは言われますが、会議で議論された内容や検討された事項をできるだけ早く議事録に落とし展開することで、活動そのものを加速することが可能となります。
上司承認を受けたら、関係者への展開を行います。
会議で使用した資料があれば、議事録とセットで展開します。
送付先から何か修正要望やフィードバックがあった場合は、自分一人で判断せず上司と相談の上、対応にあたりましょう。
まとめ:議事録作成のコツを掴んで、速度と質の両方を高めよう!
議事録はノートと同じで、書く人の理解度や情報処理能力がそのまま表れると言っても過言でもありません。
しかし、議事録作成のポイントやコツを抑えながら修練を重ねることで、比較的短期的に速度と質の両方を高めることも無理ではありません。
議事録をきちんとかける人材になることで、議事録だけではなくパワポ等の会議資料を相手に伝わるように作成することも可能になってきます。
また、経験や職位が上り議事録をレビューする立場になった際にも、議事録作成のポイントを自身が抑えることで作成者に有益なフィードバックを与えることができます。
ぜひ積極的に議事録を取り、チームで必要とされる人材になりましょう!
キャリア全般に関するご相談はこちらのContactからお気軽に連絡ください。
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本記事を作成する際に参照した書籍3冊