いえ、そんなことはありません。ESは候補者を理解するために大いに参考にされ、最終選考まで重要資料として取り扱われるんですよ。
ポイント
ESは最重要資料の一つです。この位置づけを正しく理解し、効果
本記事の内容
- ESの位置付け
- ES作成のステップ
- ES作成時に意識すべき点
こんな方におすすめ
- ESの書き方を学びたい
- 採用者の観点でESの位置付けを理解したい
- 志望企業の内定獲得可能性を高めたい
本記事の信頼性
この記事を書いている私は、
- 海外MBA進学・2度の転職経験をもとに自身が所属する香港の団体でキャリア相談を実施
- SNSを通じてES・履歴書・職歴書・志望動機書に関するキャリアサポートを実施
- 国家資格キャリアコンサルタント合格(オールA評価)
- ドイツ勤務、外資系メーカーへの転職を経て、現在は外資系コンサルティングファームでビジネスコンサルタント職に従事
参考にした本
ES専門の書籍とロジカルシンキングで有名な書籍、2冊を参考に筆者の経験を踏まえこの記事を書きました。
(本ページは一部プロモーションが含まれています)
結論:ES作成ステップ
ES作成の4ステップ
- 自己分析
- 企業の要件理解(求める人物像やビジョン)
- ESの問いに答えるエピソード探し
- 文章作成&ブラッシュアップ
自己分析
何はともあれ自己分析です。
自己理解無くしてアピールはできません。
あなたがどのような人間なのか。
あなたはが最も頑張った出来事は何か。
辛い時何を考え、どのように行動したのか。
などを振り返ることで、自身の軸や価値観がぼんやり見えてくるはずです。
それらを他者のレビューも入れつつ、磨き上げましょう。
自己分析の方法についてはこちらの記事で紹介しています。
企業の要件理解(求める人材像やビジョン)
あなたがいくら優秀でも企業が求める人材増と大きく乖離していては内定は難しいです。
企業に完全に合わせに行く必要はありませんが、少なくとも応募するからにはその企業が何を考え、どのような人材を必要としているのかについて調査しておく必要があります、
企業を理解することで正しくあなたの魅力をアピールすることに繋がります。
海外サイトにはなりますが、こちらで企業情報を探してみても良いかもしれません。
特に外資企業は選考に有力な情報を入手できる可能性があります。
ESの問いに答えるエピソード探し
自己分析で洗い出した内容を企業に対するアピールに変換するプロセスです。
単に事象を述べるだけではなく、そのエピソードにどんな困難があり、あなたがどのように考えたのか。
どのように行動したのか。
結果はどうなったのか。
そこで得た学びはなんだったのか。
その学びを入社後にどのように活かそうと考えるのか(仮説ベースで良い)。
これらの内容を構造的に述べると良いでしょう。
ビジネスの世界で困難な問題に対してどのように向き合い解決するのかをイメージしやすい、上記、問題解決型のストーリーが望ましいです。
生かせるスキルに関しては、以下の記事をご参考ください。
文章作成&ブラッシュアップ
文章を作成します。
一度で高品質な文章を作成するのは至難の業ですので、何度も修正します。
文章化にあたっては基本の文章構造に沿っているか、冗長でないか、企業に対して経験/強みを訴求できているか、といった観点を持ちながら作成および校正することが肝要です。
おすすめのES構造
- 結論ファースト(a)
- 根拠(b)
- 根拠を支える経験(c)
- 結論のパラフレーズ(d)
上記構造で構成した文章例をご紹介します。
私の強みは、新しいことに積極的にチャレンジ、結果にコミットすることである。(a) なぜなら私は、困難な状況でも努力を継続し、結果を出すまで諦めないからである。(b) 私は経済学のゼミに入りたかったが、選考がうまくいかず自分の希望とは異なるマーケティングのゼミに入ることになった。そのゼミにおいて、中国における電気自動車の市場規模と日本の自動車メーカーがとるべき施策について調査検討することとなった。専門用語も多く前提知識もなかったが、専門辞書や先輩・教授に積極的にアドバイスを求め、企業の方とも議論することで、なんとかまとめることができた。(c) 挫けることなく新しい分野にチャレンジしたことで、自分の成長につながったと考えている。この経験を活かして貴社のXX事業について、臆さず着実にキャッチアップしXX領域でXXといった成果を出していきたい。(d)
可能であれば、志望業界や志望企業で働く人にアドバイスを乞うことも視野に入れます。
学生の多くはビジネス文章に書き慣れていないケースがあるため、社会人の目を入れておくとぐっと品質が向上します。
ESに関する誤解と事実
みなさん中にはESが足きり程度の位置付けであると思っている方もいるかもしれません。
私も学生の頃はそのように思っていました。
しかし、事実と異なります。
冒頭でも述べた通り、ESは最終面接までの重要資料として取り扱われます。
私も採用に関わるようになってから意識を改めたのですが、ESの文章は人格や能力が顕著に現れる有力な評価材料と認識されています。
残念ながら実態は異なります。
特に人気企業となると、数千人のESが送付されるため、それら全てに目を通すのは不可能です。
ESは提出さえすれば企業側で意味を汲み取ってもらえると思ってはなりません。
このような実態がある中で、どれだけの学生が何度も推敲を重ねてESを作成・提出していますでしょうか。
おそらく多くの学生は、ESを何度も修正する、いわゆる「作り込み」をできていないと考えます。
企業に読んでもらえるES、読んで瞬時に伝わる文章を書く必要があります。
コンテンツが良いだけではダメで、文章構造を極める必要があるのです。
とはいえ、ネタはネット上に溢れている。
他人の情報を参考にするのはある程度必要なアクションですが、オリジナリティを出さないと、企業が「あなた」を採用する意味が見出せません。
日々大量のESを読む企業側はコピペされたフレーズには気づきます。
具体性を持ってあなたらしさを必ず表現するようにしましょう。
ESの目的
そもそも面接やグループディスカションに加えてわざわざESを選考プロセスに入れている理由はなんでしょうか。
主な理由は3つです。
ESが求められる理由
- 募者の適正見極め
- 社内での情報共有
- 採用の効率化
応募者の適正見極め
ES文章から、応募者の人間性や能力(顕在・潜在ともに)、意欲を判断します。
これは応募者が優れているか否かといい判断軸だけではなく、企業の求める人材像とマッチしているかという適正見極めにも活用されます。
社内での情報共有
面接官は必ずしも人事とは限りません。
筆者のように人事でなくとも採用プロセスの途中で関わる人たちがいます。
そういった人たちにも容易に応募者の基礎情報を共有する目的でESが活用されます。
そのため、学生の視点からすると、伝えたいことがきちんと企業側に伝わるように強く意識する必要があります。
またESで記載したことと面接での受け答えに大きな乖離があると、企業側は評価を下げる傾向にあります。
伝わりやすく、一貫性のある文章作成を心がけましょう。
こちらの記事では、ロジカルシンキングについてご紹介しています。
採用の効率化
採用には膨大な費用とお金が発生しています。
特に志望者の多い企業では、面接官のコストを抑えるため質の低いESは低評価をつけられてしまいます。
ESのコンテンツだけではなく、その表現方法にも徹底的にこだわりあなたの魅力が的確に伝わるよう、準備をしたいところです。
ESから企業が理解したいこと
よくあるESの質問で、志望理由と自己PRが挙げられます。
- 就活の軸は何か
- なぜこの業界/この企業なのか
- 学生時代に力を入れて取り組んだことは何か
- これまで経験した困難は何か
これらの質問から企業は何を読み取ろうとしているのでしょうか。
それはズバリ、企業と適性があるか、将来活躍する素養はあるかです。
これらの問いに答えるべく、応募者としては、以下のような点を織り込み、具体的に語りましょう。
- 企業で取り組みたいこと
- そう思うようになったきっかけ(課題感)
- 自分ができること
詳しい書き方やフレームをご紹介している記事はこちらです。
これらに正しく答えるために、業界企業研究はもちろん、自身の経験棚卸しを行うことが重要です。
自分がどんな人間なのか。
過去の経験からどんな根拠を持って企業にアピールし説得できるのか。
ESをみる相手は企業の社会人です。
2.3回の深堀りをされても堂々と回答できるよう、まずは自分の理解を深めることが必要です。
こちらでは、自己分析の考え方や実例を紹介しています。
また、文章を書く際の構造は「S-M-A-R-T」がおすすめです。
結論:ESこそ時間を投下し品質にこだわる
ESの作成には労力がかかり、一定数取り掛からないといけないので、逃げたくなる気持ちもわかります。
しかし、せっかくやる就活であなたの魅力が企業に伝わらないことは非常にもったいないです。
あなたにとってももちろん、企業にとっても活躍し企業の業績を伸ばす可能性のある人材を見つけられないことはお互い損です。
今の時代、特に若い世代では一つの企業に長く在籍することが一般的ではなくなりつつありますが、それでも一日の多くの時間を投下する仕事において、どこで働くか、何で給料を稼ぐか、についてはこだわって良いはずです。
このES作成時に棚卸した内容や、物事の考え方、文章の作成方法は、今後の人生においても必ずや役に立ちます。
一度力を入れて本気で取り組んでみましょう!
もしサポートが必要な方、まずはお気軽にお声がけください。
皆さんのキャリア実現を全力で応援させていただきます!